第三章 《園部〜城崎》 |
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山間に抱かれ、桂川の上流に沿って拓かれた園部の街は清清しい朝の光を浴びていた【写真11】。 昨日来の雨の名残でホームはしっとりとぬれてはいたが、ぴりっとした空気の冷たさを引きたててくれているようでそれもまた良い。 山陰本線を昼間にたどることはほとんどなく、「園部」の名も夜行列車の通過駅としては知ってはいるが、どんな土地なのかはまったく知らない。30分余の待ち時間を利用して駅前を探索するが、園部とはこんな街で…、と私がくどくど書くよりも、地元の小学生による案内マップ【写真12】が改札前に貼られていたので紹介させていただき、細かい説明は終わりとする。 駅自体はまだ新しい小奇麗な橋上駅で、構内は広く側線も多い。ここ園部を境に京都方、福知山方それぞれへの区間運転の要衝として、その重要性が伺える。 福知山行きの発車10分前に、つい魔が差してトイレに入る。この先城崎までほとんど乗りっぱなしなので今の内に、と思ったのだが、私は普段から腹具合が良いほうではないので案の定手間取り、残り少なくなって行くティッシュペーパーと時間に血の気が引いた。後で城崎の湯に入ってきれいに洗うことにして、発車3分前にようようのことでトイレを出る。 やれ一安心、とホームに降りて、がら空きの車内に陣取るが「この車両は京都行きです。福知山行き後ろ2両は間もなく発車します・・・」と車内放送があり、また大慌てで乗り移る。京都から到着した編成をここで分割し、2両だけがそのまま福知山まで行って、残りの車両は京都へ折り返す、という運用なのだった。 旅にハプニングは付き物とはいえ、一難去ってまた一難、城崎にはるか届かずに計画が崩壊するところだったが、引きつった顔で駆け込む私を待って福知山行きのドアは閉まった。 |
【写真11】冬晴れの園部 【写真12】駅周辺地図 駅はどこやねん?どっちが北やねん?? |
■第4ランナー 園部 (8時47分発)〜 福知山(9時52分着) 普通 229M(113系) ■第5ランナー 福知山 (9時56分発)〜 城崎 (11時23分着) 普通 427M(113系) |