■早暁の名古屋をスタート
ラッパ仲間のM君とは、あいかわらず各地での演奏機会のついでに鉄道を乗り歩いている。今回は、来日したチェコフィルハーモニー交響楽団のローブラスセクションとの交流演奏会(※)で名古屋を訪れた帰路を利用して、美濃・北勢地方の鉄道をできるだけたくさん乗ることにした。
2人とも、今や自身の健康問題や老親の介護などの現実が降りかかる年代になった。とにかく行けるうちに行きたい所へ行っておかなければという、切実かつ好都合な強迫観念が我々の旅を後押しする。
まだ夜も明けきらない6時前、繁華街・栄に近いホテルを出て、地下鉄東山線伏見駅から名古屋駅へ向かう。効率よいスケジュールのためなら睡眠も食事も二の次、というのが我々の旅の常で、今回も、宿泊客なら無償でふるまわれるホテルの朝食をフイにしてこの時間に出発する。
今回の一番の目当ては、三重県の北部を走る「三岐鉄道」だ。同社は複雑な生い立ちの末、近鉄桑名を起点とする北勢線(ナローゲージ。駅名は「西桑名」)と、近鉄冨田を起点とする三岐線(狭軌)の2路線を走らせている。それぞれの終点である阿下喜(あげき)駅と西藤原駅とは約5キロしか離れておらず、まとめて何とかしたい、と前々から狙っていた路線だ。
さらに、隣接する美濃エリアには「養老鉄道」がある。JR大垣駅を結節点として運転系統は南北に分かれており、北端は揖斐まで、そして南端の桑名では上述の三岐鉄道北勢線と接している。名古屋から関西へ戻る道すがら、“まとめて何とか”するにはおあつらえ向きの位置関係にある。
なお、メインディッシュは以上だが、帰路のついでに、近鉄四日市を起点とする「四日市あすなろう鉄道」にも立ち寄ることにしている。もと近鉄の内部・八王子線が、2015年4月から第3セクター化されたものだ。近鉄四日市を出発し、途中の日永で分岐して西日野に至る区間は2007年に乗っている(乗車記はこちら)ので、今回は日永から先の内部までを訪れてみたい。
※チェコフィル・ローブラス、CRブラスによる「友情コンサート」(2015年11月1日(日)、ドルチェ楽器名古屋店アートホール)。
大阪んブラスアンサンブルは、Chech Republicの略である「CRブラス」として出演した。
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名鉄の特急指定席を奮発するがご覧の通り |
ゆったりサイズのシートに収まるM君 |
月曜の朝の名鉄岐阜駅前。皆様ご苦労様です |
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名阪近鉄バスが運行する揖斐川町コミュニティバス。 後方はここまで乗ってきた岐阜バス(大野BC) |
ローカル駅の典型のような揖斐駅舎 |
内部もなつかしい構造(揖斐) |
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1面1線の終着駅(揖斐) |
昔の貨物用側線の跡地が広がる(揖斐) |
大垣駅。左(1番線)が桑名行、右(2番線)が揖斐行 |
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構内の「ゼロキロポスト」。大垣を起点に、 揖斐・桑名の方面別に距離を測っているのか |
JR側の構内も広く、鉄道の要衝・大垣の全盛期を しのばせる |
朝のラッシュも過ぎ、桑名行の車内はこの通り |
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桑名。養老鉄道から近鉄へは、同じホーム上の改札で 乗り継げる |
近鉄富田。三岐鉄道・三岐線はもと西武鉄道の 車両が活躍。気のせいか車体が平べったく感じる |
三岐鉄道はなつかしい硬券が現役 |
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西藤原行の車内はこの静けさ |
旅客の少ない時間帯は貨物が主役 |
終点の西藤原駅前の「ウィステリア鉄道」は 貴重な車両の保存展示を行っていることで有名 |
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SL、ELを模した西藤原駅舎 |
静けさに包まれた原色のない街で コミュニティバスを待つ |
やってきたのがこのバス。マイクロバスとミニバンの 中間ぐらいのワゴン車(阿下喜駅前で撮影) |
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コミュニティバスの車内は顔見知りばかり。 シートの影にも小さなおばさんが乗ってます |
「貨物鉄道博物館」を有する三岐鉄道のおひざもと らしく、街角にはホキが展示されている |
2006年に新築された阿下喜駅舎 |
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整備されて10年、まだ新しさが残る |
ホームの南側に接する軽便鉄道博物館 昭和6年製の「モニ220型226号」 |
線内各所で使われていた産業遺産も移設 |
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お昼時の車内。ちらほら乗っていました |
カーブを繰り返しながら段丘を下る。 列車は「上り」だけど |
近鉄桑名よりも東にある「西桑名」が終端。 以前はもう一駅先に自社の「桑名」があった |
■こぼれ話「四日市あすなろう鉄道」 |
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あらためて見るがバスより狭い |
新260系と行き違い |
平和っちゃあ平和です さあ帰りましょう |
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集会所みたいな内部駅 |
検収庫もありました |
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