■第4日 8月11日(火) 午前:自由行動、午後:トラム(電車)、バスでBenatky nad Jizerou市へ移動。
18時(日本時間8月12日1時)から、お城の中庭で野外コンサート。
終演後に宴会、プラハへ戻る。
(1) ルドルフィヌム(芸術家の家)へ
今日も午前中はオフということで、昨日回りきれなかったところをめざします。まずは“聖地参拝”ということで、チェコフィルハーモニーの本拠地「ルドルフィヌム」へ。
ホテル前の駅「ソリダリタ」から5系統に乗り、旧市街をかすめてシュヴェルマ橋でヴルダヴァ川の北岸に渡ってしばらく川沿いに西へ。チェフ橋のたもと、その名も「チェフ・モスト(橋)」で17系統に乗り換え、再び川を渡って2駅下がった「スタロムニェストスカー」で下車すぐ。
前回の2000年はここでチェコフィルを聴きましたが、今回は真夏でオーケストラがシーズンオフのため、内外ともにひっそり。
売店が開いていたので表敬訪問。チェコフィルのロゴ入りポロシャツがあり食指が動いたけれど、サイズがMしかなかったので断念し、コーラだけ買いました。
(左)前庭に建つドヴォルザークの像
シュヴェルマ橋上から見た
プラハ城。手前がチェフ橋
チェフ・モストで乗り換え待ち。
朝から快晴、木陰は爽快
正面
ファサード
エントランス(右手)
奥の突き当たりが売店
エントランス(左手)
楽屋口 定点観測その1
(2015年8月)
楽屋口 定点観測その2
(2000年5月) ・・・別人だなw
(2)マリオネット
今日の最大の目的(演奏を除く)は、「みやげにマリオネットを買ってこい」という、奥さんからのミッションの遂行です。マリオネットに代表される木工製品は、ボヘミアングラス等と並ぶ名産品。長い滞在のようでいて、単独行動でじっくり探せる機会は今日が最後なのです。
昨日下ったプラハ城からの道を今日は逆向きに上って、ガイドブックに載っている人形店をようやく探し当てますが、まず思っていたよりも高い!基本的に伝統工芸品で手作りなのです。
店番のおばあさんが近寄ってきて「あなた英語は大丈夫? このコーナーのはね、“Traditional”なのよ。それからこっちはうちの店のオリジナルでね・・・」とひとしきりしゃべり倒すと、次の客の応対に移って行きました。あらためて値札を見れば、人形一体が日本円で数万円相当!コンマのつけ方まちごうてへんか!?
愛想笑いでそぉっと店を出たものの、値段で妥協して気に入らないものを買っても悔いが残る・・・。また昨日とおなじルートを歩いてカレル橋を渡り、旧市街エリアの土産物店を回ったところ、ようやく顔立ちの愛らしい、民族衣装姿のお嬢さんにめぐり合いました。(価格も何とか予算内!)
店番のお姉さんに、「奥さんから買って来いって言われてたんでね。これでミッション完了だよ」というと、彼女はハハーンと笑いながら「この娘は“Traditional”なのよ」と、ここでもおなじみのキメ台詞が。信じておくことにしましょう。
(3)Benatky nad Jizerouへ
重要なミッションを午前中にクリアして、午後からは2回目の演奏会に向います。場所はプラハから北東へおよそ35km、前回のBlandys nad Labem よりもさらに離れた地方都市、Benatky nad Jizerou です。
ホテル前からトラム5系統で「Depo Hostvar」へ、路線バス223系統に乗り換えて「Cerny Most」へ、さらに高速バスに乗り継いでBenatky nad Jizerouに至ります。この間の所要は2時間弱。
バスを降りると、今日のコンサートをプロデュースいただいた、地元の芸術アドバイザー・Bretislav Kotrbaさん(チェコフィル・トロンボーン)が出迎えてくれました。彼の案内で丘の上に建つ古城の城門をくぐり、緑の茂る前庭を進むと現れる瀟洒なお城、その中庭が演奏会場になります。
壁一面に施された幾何学的な装飾と、庭から見晴るかすボヘミアの大地の風景に圧倒されますが、それをじっくりと眺める暇もなく、あわただしく準備、リハーサルに入ります。
Depo Hostvar。実はここで予定の
バスを1本乗り損ねたが、後の高速
バスへの接続には影響なし
Cerny Most。乗り場の気温36℃。
高速バスだが予約制ではない。
チューバまで抱えて全員よく乗れた
Benatky nad Jizerouです。
門をくぐって敷地に入り、
緑の濃い前庭を進むと
ここがお城の入り口で、
中に入るとテント張りのステージが。
ここで演奏するのかと思ったら、
中庭の対面の壁際に
セッティングするとのことで、
強風と戦いながらのリハーサルと
なりました
(4)本番、そしてサプライズ
今日のプログラムは、前回のラインアップからポップスの一部などを割愛した、約1時間のショートバージョン。体力に若干余裕が出る分、ここではアンコールに「Cornet Callillon」を入れました。
いたずらな風に譜面をもてあそばれつつ、寛容なお客様に温かく見守られて何とか本番終了。
終演後、ある日本人男性から声をかけていただきました。数ヶ月前に当地の駐在員として赴任したばかりの企業マンで、チェコ日本人会からの情報でこの催しを知り、来場いただいたとのこと。「まさかこんなところで日本人の演奏が聴けるとは思っていませんでした」と感激のご様子。何かしら記憶に残る演奏ができたのであれば、ありがたいことです。
終了後の控室にはサンドイッチなどのオードブルを用意いただき、ひとしきり舌鼓を打ったところで、今度はお城近くの街角のパブに徒歩で移動しての打ち上げ。来場いただいた、顔なじみの地元の皆さんと一緒にテーブルを囲んで、飲んで歌ってのビール三昧となりました。
お城の風景1
シンボルの塔
お城の風景2
庭からの景色はボヘミア〜ン
お城の風景3
回廊のたたずまい
ポスターも製作していただきました
本番中も風との戦い。
譜面を押さえるのに悪戦苦闘
何とか終わって控室で一服
豪華なオープンサンドのみならず
揚げ物と炭水化物もどっさり。
しかし打ち上げはここからが本番
お城を出て徒歩数分、
街角のパブへ移動
地方都市の素朴な街並み
お世話いただいたKotrbaさんと
ヒゲをたくわえたパブのおやじさん。
こう見えて昔はプロのバイオリン弾き
だったそうな
《びっくりした「お・も・て・な・し」》
顔なじみの地元の皆さんとも一緒に宴会がスタート。まもなく、Kotrbaさんが立ち上がっていいました。
「今から皆さんに、サプライズをお贈りします。では、皆さん!」
そして地元の方が一斉に歌い始めたのは、今日私たちが演奏したチェコの愛唱歌、「Aby nas Buh miloval」
でした。
歌詞のわからない私たちも、ハミングでハーモニーをつけたりして参加。感謝感激、とはこのことです。
皆さんは歌の後も、「2番の歌詞はこうだった」「いやこうじゃないか」と懐かしい話が弾んでいたようです。
音声はこちら!
(5)楽しい遠回り
宴会後は、城内に預けてあった荷物を取りに戻ってから、Kotrbaさんに見送られて帰りのバスに乗車。
来たときと同様にCerny Mostで乗り換えますが、ここでハプニングが!ホテル方向へのバスに乗ったつもりが、方向を間違えて逆方向に向っていることが判明!!
しかし終点も近いので、どうせなら最後まで乗っちゃえ、ということになりました。
幹事氏は恐縮しきりでしたがなかなかどうして。図らずも異国の知らない街に流れ着き、ほろ酔い気分で戻りのバスを待った1時間。望んでも手に入らないような、贅沢な想い出になりました。
ひとまずお城へ戻ります。
このあとバス停へ
街中の掲示板にも演奏会の
ポスターがありました
223系統の終点、Ratiboricka
こんな自由な時間が終わらなければ
いいのに。(日本に帰れないのも困るが)
(C) KIXLOCAL(Takashi Kishi) all rights reserved, 2015 . |
kakko