(2)Brandys城(Zamek Brandys nad Labem)に到着
今日はプラハ到着翌日ながら、いきなり本番。(本番前に炎天下を3キロ歩き回るのも変っちゃあ変ですが)
18時から、チェコトランペット教会と地元自治体の主催による、プラハの北西約20キロの地方都市Brandys nad Labem(「ラべ川のほとりのブランディース」のような意味)にある古城でのコンサートです。
Zamek Brandys nad Labem(Brandys城)は、各地に点在する城とともに重要な観光資源であり、コンサートなどの文化行事や歴史イベントなどの舞台としても継続的に活用されているようです。
お城のオフィシャルサイト: http://www.brandyszamek.cz/
地元自治体のオフィシャルサイト: http://www.brandysko.cz/
主催者の手配してくれた車に分乗してホテルから小1時間、15時に城へ到着。
外の猛暑がウソのように涼しい半地下の控室に通されると、壁面や天井に一面の装飾画が。ボヘミア王国全盛の14世紀以来の歴史を思わせる迫力に、いきなり圧倒されます。
一服後、城内を見学。「英語でガイドをするのは、今日が初めてです」とはにかむ案内役のお嬢さんは、どうやら我々のために英語を猛勉強されたご様子。
この城は長い歴史の間、当主が変わるたびに壁画の塗り替えや改築がされたようで、修復のために壁を削ると、下から古い時代の壁画が現れたりするとのこと。美術品や銃刀類その他のコレクションから、城郭そのものの変遷の名残まで、約1時間じっくりと拝見しました。
●Zamek Brandys nad Labem(Brandys城)の写真 ※全景は上のリンク(オフィシャルサイト)で。
ワゴンで移動中。
エアコンついてません!
土壁と石畳だけで素寒貧とした
中世っぽい風情がただよう
城の入り口は案外小じんまり
中庭に出ると荘厳な空間が
すでに客席もスタンバイOK
へぇーここでやるんかあ、と
まだ実感が湧かない面々
控え室もこの雰囲気。
もう言葉出ません
微妙にヘタウマな感もありますが
●城の内部
なんだかやんごとなき方々
軍服のコレクション
この国が持つ複雑な過去を
思い起こさせられます
軍隊の先頭には、
音楽があった
軍刀ほか武器類の数々。
中央がガイドさん
それにしてもえらい数です
なぜか鹿の角コーナー
この部分の天井と梁は数百年前の
オリジナルが見える形で保存
(3)リハーサル
演奏時間も迫ってきて、セッティングとリハーサル。
高い城郭で「ロの字」型に囲まれた中庭なので、聴衆の位置にすべての反射音が集中し、屋外ながら音が散るどころか、体全体が音に包まれるような素晴らしい演奏効果です。
しかし壁を背にした演奏者どうしの感覚は逆で、周囲の音が薄く感じられて聞き取りがむつかしい。多少セッティングを密集させるなどの対策はしましたが、「まあ今日は初日だし、リハーサルのつもりで、思い切りで乗り切りましょう」、ということで本番を迎えました。リハーサル(左)の合間に、テレビの取材を受けるF氏(右)。
いったい何語で何をしゃべったのか、自分でも覚えていないらしい
(写真:田中敬子さん)
(4)Antonin Kellerさんのこと
本番前、控室に、もとプラハ交響楽団トロンボーンのAntonin Kellerさんが訪ねてきてくれました。
彼は今年1月に引退しましたが、昔日本公演で大阪に来た際、F氏から頼まれて、趣味の釣り道具のショップを案内したことがありました。当時の彼は英語が通じず、コミュニケーションにはかなり苦労しましたが・・・。
その後F氏から、「Tonda(彼の愛称)が、タカシは元気か、よろしく伝えてくれ、と常々気にかけてくれている」ときいていたところ、今回の訪問を前に、突然Facebookで友達リクエストが届き、音信が復活。今回10数年ぶりでの再会となりました。
彼は今回のチェコ国内3回すべてのコンサートに駆けつけてくれ、帰国後も名残を惜しんでくれました。
彼が日本にくることはもうないでしょう。いまは好きなジャズと、春と秋のシーズンにはブルダヴァ川での釣りを楽しんでいるとのこと。これからのご健康を願って止みません。《追記》 もう来られることはない、と思っていたKellerさんですが、なんと5ヵ月後の2016年1月、プラハ交響楽団のツアーメンバーの一員として来日され、西宮での演奏会で再会することができました。
(5)いよいよ本番
当日はなんと入場料100コルナ(500円)をいただくことに。入場口では、先ほど英語で案内してくれたガイド嬢がモギリに陣取ってくれています。現地のサポートのおかげで、立派なポスターやプラグラムも用意されています。
会場にドリンク販売の屋台は出るわ、地元テレビ局のカメラは来るわという想定外の盛り上がりの中、用意された客席もほぼ埋まっていよいよ定刻。ピッコロ2本が前に出て、「トランペット・ヴォランタリー」でスタートしました。
途中休憩後の2部の冒頭で、プログラムの印刷内容の訂正についてS氏がチェコ語でアナウンスすると、これが拍手喝采の大ウケで雰囲気は一気になごやかに。未知の日本のアマチュア団体に(アマチュアだとわかっていたのかどうかも怪しいが)、最後まで熱心な反応をいただいたお客様に感謝です。
●プログラムと録音 ※屋外のため風の音が入ります ■第1部
1. トランペット・
ヴォランタリー
2. テルプシコーレ組曲
・Entree
・Ballet du Roy
・Volte
・Courante de Perichou
・La Bouree
・La Pavane
・Courante Finare
3. カプリオール組曲
・Basse-dance
・Pavane
・Tordion
・Blansles
・Pieds-en-l'air
・Mattachins
■第2部
◎プログラム訂正をアナウンス
(チェコ語で大ウケ)
1. The music of Jim Parker
・Ground Force
・The Midsomer Murders
・Soldier , Soldier
2. ロンドン・ブラスシリーズより
・I'm Getting Married
in the Morning
・A Nightingale Sang
in Barkley Square
・On the Sunny Side
of the Street
3. 日本の音楽から
・もののけ姫
・いつも何度でも
・君をのせて
4. チェコの愛唱歌から
・Aby nas Pan Buh miloval
・Coz se mne , ma mila ,
hezka zdas
・Dona bleska
●コンサートの写真
これから入場します
これはなんだ
たぶん2部の出番前
終わったなー、って感じ
3匹のおっさんの図。
この後車でプラハへ戻って宴会です
《当日の詳しい記事と写真を、地元メディア「PROSTOR」でご覧ください。》
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記事:http://www.novinyprostor.cz/clanek/osakan-brass-ensemble-zazaril-na-brandyskem-zamku
写真:http://www.novinyprostor.cz/fotogalerie/album/275?photoId=6758
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